お客様は、最初の数秒であなたと会社を判断します
売場で声をかけられたお客様は、話の中身を聞く前に「この人の話を聞いてもいいか」を決めています。そのとき見られているのは、表情・声・そして最初のひと言です。
あなたの言葉づかいは、そのまま株式会社DonGoの印象になります。
完璧な敬語より、相手を大切にしている気持ちが伝わることが先です。すぐに使えるフレーズを中心に10章にまとめました。最後に○×テスト(35問)があります。チェック・点数・回答はこの端末に自動保存されます。
売場で声をかけられたお客様は、話の中身を聞く前に「この人の話を聞いてもいいか」を決めています。そのとき見られているのは、表情・声・そして最初のひと言です。
あなたの言葉づかいは、そのまま株式会社DonGoの印象になります。
敬語は、えらい人のためのルールではありません。相手に「あなたのことを大事に考えています」と伝えるための道具です。
です・ます、で話す。乱暴な言葉を使わない。
短く、ゆっくり、専門用語を使わない。
慣れてきたら少しずつ。最初は①②が先。
言葉づかいのいちばん最初は、あいさつです。売場のスタッフ、お店の方、お客様。出会うだれにでも、自分から先に声をかけます。相手から返事がなくても、続けていれば関係は変わっていきます。
| 場面 | 言い方 | ポイント |
|---|---|---|
| 出勤したとき | おはようございます。 | 相手が忙しそうなら、会釈と笑顔だけでも。 |
| 売場を離れるとき | 〇〇へ行ってまいります。〇分で戻ります。 | 行き先と戻る時間を伝える。遅れるときは連絡。 |
| 戻ったとき | ただいま戻りました。 | 「ただいま」だけで終わらせない。 |
| 先に帰るとき | お先に失礼いたします。 | 「お先に」で止めない。忙しそうなら「何かお手伝いできることはありますか」。 |
上体を軽く傾ける。すれ違うとき、ほかのお客様と話している人へのあいさつ。目を合わせて笑顔で会釈するだけでも十分です。
手を太ももの前にそろえ、しっかり傾ける。お客様のお迎え・お見送り、初めてお会いしたとき。
いちばん深く傾ける。心からのお礼、正式なお詫びのとき。
お辞儀は「言葉を言ってから頭を下げる」と、言葉も気持ちも伝わりやすくなります。顔見知りの方や、ほかの人と話している方には、目を合わせて軽く会釈する「目礼(もくれい)」だけでも十分です。角度は目安です。大切なのは、相手と場面に合わせて深さを変えることです。
当てはまるものがあれば、そこが伸びしろです。
言葉づかいが乱れる原因は、だいたい3つです。①知らない(だれにでも同じ言い方をしている)、②相手で態度を変える(好き嫌いや上下で言葉が変わる)、③感情(イライラが言葉に出る)。どれも、知って、使って、くり返せば直せます。言葉づかいは何歳からでも身につきます。
同僚と仲が良くても、売場・お客様の前・社長への連絡は「仕事の場」です。ふだんの言葉から、仕事の言葉にスイッチを切り替えましょう。
DonGoでの目安です。迷ったら、一段丁寧なほうを選びます。
| 相手 \ 場面 | 売場・お客様の前 | 休憩中・社内 |
|---|---|---|
| お客様 | いつでも、いちばん丁寧に。尊敬語・謙譲語+です・ます。 | |
| 社長・先輩 | です・ます+「承知しました」。お客様に聞こえても恥ずかしくない言葉で。 | です・ます。少しやわらかくてもOK。返事は「はい」「承知しました」。 |
| 同僚・後輩 | です・ます(お客様に聞こえている前提で)。名前は「〇〇さん」。 | くだけてもOK。ただし乱暴な言葉・お客様の話・悪口はNG。 |
文の終わりを「です・ます」にそろえる。途中でため口にもどらない。
自分→わたくし、こっち→こちら、どれ→どちら、だれ→どなた
下の表のように、ふだん言葉を仕事の言葉にする。
| ふだんの言葉 | 仕事の言葉 | 例 |
|---|---|---|
| ちょっと | 少々 | 少々お待ちください。 |
| あとで | のちほど | のちほどご連絡いたします。 |
| すぐ | ただいま | ただいまお持ちします。 |
| さっき | 先ほど | 先ほどご説明した料金です。 |
| 今日/明日 | 本日/明日(あす) | 本日はありがとうございました。 |
| いいですか | よろしいでしょうか | こちらでよろしいでしょうか。 |
| どうですか | いかがでしょうか | ご都合はいかがでしょうか。 |
| やる | いたします/します | すぐにお調べいたします。 |
| やつ | もの/具体的な名前 | こちらが先ほどご案内したプランです。 |
| できません | いたしかねます | あいにく、こちらではお受けいたしかねます。 |
動詞(言う・見る・行く など)の言い換えは、この章の後半の表にまとめています。
「マジで」「ヤバい」「〜っす」「〜じゃないですか」などは、売場では使いません。お客様には軽く、時には失礼に聞こえます。
相手の動作や持ち物に使う。
例:お客様がいらっしゃる/ご覧になる
自分(や自分の会社)の動作に使う。
例:私が伺う/資料を拝見する
「参る・申す・いたす」のように、聞き手に丁寧に述べる言葉もここに入ります。
文の終わりを「です・ます・ございます」にする。
例:こちらです/ご案内します
「お水・ご案内」のように、言葉をきれいにする「お・ご」(美化語)もあります。
国の「敬語の指針」では、尊敬語・謙譲語Ⅰ・謙譲語Ⅱ(丁重語)・丁寧語・美化語の5つに分けています。現場では上の3つで考えれば十分です。
横にスクロールできます。まずは太字の言い方を覚えましょう。
| ふつう | 尊敬語(相手) | 謙譲語(自分) |
|---|---|---|
| 言う | おっしゃる | 申す・申し上げる |
| 見る | ご覧になる | 拝見する |
| 行く | いらっしゃる・おいでになる | 伺う・参る |
| 来る | いらっしゃる・お見えになる・お越しになる | 参る |
| いる | いらっしゃる | おる |
| する | なさる・される | いたす |
| 食べる・飲む | 召し上がる | いただく |
| 知る | ご存じだ | 存じる・存じ上げる(人を知っている) |
| 聞く・尋ねる | お聞きになる・お尋ねになる | 伺う・お聞きする |
| もらう | お受け取りになる | いただく・頂戴する |
| あげる | お渡しになる | 差し上げる・お渡しする |
| くれる | くださる | ― |
| 会う | お会いになる | お目にかかる・お会いする |
| わかる(引き受ける) | おわかりになる | 承知する・かしこまる |
| 見せる | お見せになる | お見せする・ご覧に入れる |
| 座る | お掛けになる | ― |
| 待つ | お待ちになる | お待ちする |
お客様や取引先(ソト)の前では、社長も先輩も自分と同じ「ウチ」側です。ウチの人には尊敬語を使わず、「社長」「さん」などの敬称も付けません。
相手と場面で「ウチ」と「ソト」の線が動きます。
| 場面 | 話す相手 | 社長・先輩は | 言い方 |
|---|---|---|---|
| 事務所で社長と2人 | 社長 | ソト(相手) | 尊敬語:「社長、明日は〇〇店にいらっしゃいますか」 |
| 休憩中に先輩と | 先輩 | ソト(相手) | です・ます+尊敬語:「田中さん、もう召し上がりましたか」 |
| 社内チャットで同僚に社長のことを | 同僚 | 目上の人 | 尊敬語:「社長が〇時に来られるそうです」 |
| 売場でお客様に | お客様 | ウチ | 名字だけ+謙譲語:「田中がご案内いたします」 |
| 電話で取引先に | 取引先 | ウチ | 名字だけ+謙譲語:「松下は外出しております」 |
1つの言葉に同じ種類の敬語を2回つけるのが「二重敬語」です。丁寧にしたつもりでも、くどく聞こえます。
「おっしゃる」「ご覧になる」はそれだけで尊敬語。さらに「〜られる」をつけると重なります。
一番多いミスです。謙譲語は「自分を低める」言葉なので、お客様の動作に使うと失礼になります。
| × つい言いがち | ◎ こう言う | ポイント |
|---|---|---|
| ご案内の資料のほうお持ちしました | ご案内の資料をお持ちしました | 「〜のほう」は比べるとき・方向のときだけ |
| こちらが料金表になります | こちらが料金表です(でございます) | 「なる」は何かが変わるときの言葉 |
| ご住所はこちらでよろしかったでしょうか | ご住所はこちらでよろしいでしょうか | 今のことを確かめるなら今の形で |
| 千円からお預かりします | 千円お預かりします | 「から」はいらない |
| お名前いただけますか | お名前を伺ってもよろしいでしょうか | 名前は「もらう」ものではない |
社長・先輩・お客様には「承知しました」「かしこまりました」。同期どうしなら「了解です」でもOK。
目上の人には使いません。社内のあいさつは「お疲れさまです」にそろえましょう。
便利ですが、使いすぎると軽く聞こえます。場面で言い換えます。
| 場面 | 「すみません」の代わりに |
|---|---|
| 謝るとき | 申し訳ございません |
| お礼のとき | ありがとうございます |
| 呼び止める・お願いするとき | 恐れ入ります/失礼いたします |
お願いや断りの前にそえる言葉です。同じ内容でも、ぐっとやわらかく伝わります。
| 言葉 | 使う場面 | 例 |
|---|---|---|
| 恐れ入りますが | お願い全般 | 恐れ入りますが、少々お待ちいただけますか。 |
| お手数ですが | 相手に手間をかけるとき | お手数ですが、こちらにご記入いただけますか。 |
| あいにく | 期待にこたえられないとき | あいにく、その機種は本日在庫がございません。 |
| 差し支えなければ | 個人的なことを聞くとき | 差し支えなければ、今の月々のお支払いを伺えますか。 |
| よろしければ | おすすめ・提案するとき | よろしければ、こちらにお掛けください。 |
命令の形(「〜して」「〜しろ」)や、名詞だけの言い方(「ここ記入」)は、相手に「命令された」と感じさせます。お願いの形にしましょう。
「〜してください」は丁寧語ですが、指示の形です。「〜していただけますか」「〜いただけますでしょうか」にすると、相手が選べる言い方になります。
「できない」「ない」で話を終えると、お客様はそこで止まってしまいます。できることを続けて伝えましょう。
「安くなります」と言い切らず、「なるかどうかお調べできます」にするのがポイントです。
事実と違ったり、お客様をあせらせたりする言い方は、あとで「話が違う」につながります。会社の信用もなくします。
期限や金額は、事実をそのまま伝えます。決めるのはお客様です。
事実がまだ分からないうちは、お客様に不便や不快な思いをさせたことに対して謝ります。
「すぐに」だけでなく、いつまでに連絡するかを伝えると安心してもらえます。そして、その約束は必ず守ります。
社外の人と話すときは、社長や先輩でも名字だけで呼び、謙譲語を使います(くわしくは2-8「ウチとソト」)。
かける前に、話すことを3つまでメモしておくと落ち着いて話せます。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| いつ | 受けた日時(〇月〇日 〇時〇分) |
| だれから | 相手の会社名・お名前(漢字が分からなければカタカナで) |
| だれあて | だれへの電話か |
| なにを | 用件(短く) |
| どうする | 折り返しが必要か/また相手からかかってくるか |
| 連絡先 | 電話番号(必ず復唱する) |
| 受けた人 | 自分の名前 |
出勤・退勤・すれ違ったとき・電話やチャットの最初は「お疲れさまです」にそろえます。帰るときは「お先に失礼します」。
だれが聞いているか分かりません。お客様と会社を守るのも、言葉づかいの一つです。
売場はにぎやか。相手に届く少し大きめの声で。ただし近くでは落ち着いた声に。
自分が「ちょっと遅いかな」と思うくらいがちょうどいい。
大事なことの前後で一呼吸。相手が考える時間をつくる。
| つい言いがち | こう言い換える |
|---|---|
| MNP | 今の電話番号のまま、別の会社に乗り換えること |
| eSIM | スマートフォン本体に最初から入っているSIM(カードを差し込まないタイプ) |
| ギガ | インターネットを使える量(データ量) |
| 光回線 | ご自宅のインターネットの線 |
| 端末代 | スマートフォン本体の代金 |
| プラン変更 | 月々の料金のコースを変えること |
お客様が言葉の意味を聞き返してきたら、それは「説明が難しい」というサインです。
繰り返すと「ちゃんと聞いてくれている」と伝わり、聞き間違いも防げます。
「は」と「も」、「で」と「が」のように、たった1文字や語尾の小さな違いで、ほめたつもりが失礼に聞こえたり、しぶしぶ選んだように聞こえたりします。
どれだけ丁寧な言葉で話しても、聞き方がいい加減だと態度に出ます。売場ではお客様が8割話し、こちらは2割くらいが目安です。お客様の困りごとは、お客様の言葉の中にあります。
聞いていることを言葉で伝える。
同意:「そうですよね」「それはご不便ですね」
展開:「と、おっしゃいますと?」「それで、どうなりましたか?」
転換:「ちなみに、今のご契約は〜」(話を本題に戻すとき)
うなずく、体をお客様に向ける、手を止めて目を見る。スマホや資料を見ながら聞かない。
お客様の言葉を短く繰り返して、受け止めたことを示す。聞き違いも防げます。
「動画をよく見るんです」→「動画をよくご覧になるんですね」
お客様の話をさえぎらない、「でも」「いや」で返さない、「はいはい」と流さない。反対の考えを伝えるときも、まず「そうですよね」と一度受け止めてから話すと、聞いてもらえます。ヒアリングの深め方は「通信クローズ研修」の第2章でも練習できます。
目を合わせて話し、ときどき口元や資料にやわらかく外す。じっと見続けない、目を伏せたまま話さない、きょろきょろしない。
お客様の真正面に立ちはだかるより、少し斜めに。近づきすぎない。
料金表やスマホの画面は、お客様から見やすい向きで。指でさして説明する。
言葉が丁寧でも、目線や立ち方で「押されている」と感じさせることがあります。
この研修や先輩の話から学ぶ。分からない言葉は、そのままにせず調べる・聞く。
ふだんの言葉から直す。ロープレで声に出す。今日直す言葉を1つ決める。
相手と場面に合わせる。言葉づかいがうまい人をまねする。
同じ事実でも、前向きな言葉で伝えると、お客様は受け取りやすくなります。ただし、事実を変えたり、ごまかしたりはしません。
| マイナスに聞こえる | プラスの言い方 |
|---|---|
| このスマホ、古いですね | 長く大切に使われていますね |
| あと5分しかないです | あと5分ありますので、要点だけご説明しますね |
| それはできません | 〇〇でしたら、できます |
| 機械に弱いんですね | 一緒に、ゆっくり設定していきましょう |
| 迷ってますね | しっかり比べて選ばれたいんですね |
| (社内)細かい人ですね | 丁寧に確認される方ですね |
文が正しい言い方・考え方なら「○」、間違っていれば「×」を押してください。押すとすぐに正解と解説が出ます。28問以上(80%)正解で合格です。
1日1つでいいので、この研修のフレーズを売場で使ってみてください。
迷ったら「丁寧に・分かりやすく・相手を大切に」。